第2章責任関係 その3 − 組織構造 −

エプシロン「さっそくだけど、図2.6から見てみようか。」

ミュー「この図には型を持った関連の使用ってタイトルがついてるね。」
「うん。」
「型を持った関連っていうのは、、」
「うん。前回の図2.5を見てみようか。あれは2つの階層構造が示されたよな。営業についてのと、製品サービスについてのと。」
「オブジェクト図だと、ボストン営業所とボストン2176型サービスチームが営業の親子関係で、2170型ファミリサービスセンタとボストン2176型サービスチームが製品サービスの親子関係だったよね。」
「そう、組織の間の親子関係にも、営業に関する関係だったり、製品サービスに関しての関係だったりといろいろあるわけだ。だから、組織の間の関係、つまり関連をオブジェクトのように扱ってやって、うん、これが図2.6の組織構造のインスタンスとなるんだけど。」
「ちょっとむずかしいよ。エプちゃん。」
「まあ、いいから聞けって。で、その関連の種類、つまり型を組織構造型のインスタンスで示してやるんだ。」
「だから、難しいんだってエプちゃん。」
「じゃあ、次の2つの例をオブジェクト図で表してみようか。」

例1 ボストン2176型大容量カプチーノメーカのサービスチームは、ボストン営業所に報告をあげる。このことは、親がボストン営業所で、子がボストン2176型サービスチームであるという組織構造でモデル化される。この時の組織構造型はライン管理である。

例2 ボストン2176型大容量カプチーノメーカのサービスチームは、製品サポート組織である2170型ファミリサービスセンタにも報告を上げる。このことは、親が2170型ファミリサービスセンタで、子がボストン2176型サービスチームであるという別の組織構造でモデル化される。このときの組織構造型は製品サポートである。


「どうだ、例に挙がってる以外のものもあるけど。ミュー?」
マサチューセッツ営業部門とボストン営業所、それからボストン2176型サービスチームの縦のラインにある組織構造のインスタンスが、それぞれライン管理につながってるね。」
「そうそう、2170型ファミリサービスセンタとボストン2176型サービスチーム、シアトル2179型サービスチームとの関係、つまり組織構造のインスタンスは組織構造型の製品サポートにつながってるだろ。」
「うんうん」
「つまり、組織構造型のインスタンスであるライン管理や製品サポートは、それぞれ組織間の組織構造の種類を表しているんだ。で、」
「で?」
「こういう、何かの"種類"をインスタンスとして持つクラスをパワータイプっていうんだけど、
うん、この場合は組織構造型が組織構造のパワータイプとなっている。」
「パワータイプ」
「うん」
「パワータイプ。種類。パワータイプ。」
「うん。そうだな、ちょっと長くなったら今回はここまでにするか。」
「うん、そうだね。ミューもちょっと疲れちゃった。うちにクッキーあるから一緒に食べよ。」
「よしっ」