閑話 − 糊オブジェクト、糊クラス −

組織構造や責任関係のインスタンスって、いかんともそのインスタンス名が付けづらいですよね。

この例だと「John SmithがACM社で働いていることをあらわす雇用関係:責任関係(or 雇用)」とでもなるのでしょうか。こうなるともうオブジェクト図全体をあらわした名前になってしまいます。

組織や人などのインスタンスはそれが単体で存在してところを容易に想像することができますが(つまりJohn Smith氏やACM社のこと)、組織構造や責任関係のインスタンスは、それ自体が独立して存在してるってところは想像しがたいですよね。責任関係は、ACM社とJohn Smith氏とを結びつけることで初めて意味をもったインスタンスとなりえるわけです。

こうした、他のオブジェクト同士の結びつき自体をオブジェクトとしてとらえたものを「糊」の意味で"グル―オブジェクト(glue object)"と、そのクラスを"グル―クラス(glue class)"と自分の中で勝手に呼んでます。その働きが素粒子分野でのグル―オン(gluon)を思い起こさせるとこもあるので。(ほんとはちゃんと名前が付いているのかもしれません)

この"グル―クラス"と似た概念として関連クラスがあります。

違いとしては、"グル―クラス"は特定のインスタンス間、たとえばJohn Smith氏とAMC社との間にいくつもの関連を持たせることができますが、関連クラスの方では1つの関連しか持たせることができないという点が挙げられます。