第3章 観測と測定 その4 − 複合単位 −

 単位には基本となる原子単位とそれらを組み合わせた(掛け合わせた)複合単位があります。例えばSI単位系であれば長さの単位 m、質量の単位 kg、時間の単位 s、電流の単位 Aなどが原子単位(基本単位っていいます)に相当し、加速度の単位 m/s^2や電荷量の単位C(=As)は複合単位(組立単位っていいます)に相当します。

図3.4では、原子単位とそのベキを組み合わせた単位参照を定義し、それをいくつか持たせることによって複合単位を表現しています。

例1 150平方ヤードは150という数と2乗というベキを持ったフィートへの単位参照を持つ複合単位の量として表現される。

この例だけだと分かりにくいかと思いますので、加速度の単位m/s^2がどのように表現されるかを示しておきます。


図3.5では、単位参照オブジェクトを無くし、複合単位に必要なだけ原子単位を持たせることにより、複合単位を表現しています。

原子単位側についている関連端名の正、逆というのは、正のベキの単位(正単位)なのか逆ベキノ単位(逆単位)なのかを示しています。また、関連端の制約 not uniqueというのは、原子単位のコレクションが重複を許す集合(Bag)になっていることを示しています。たぶん、例を見たほうが早い。

例2 重力による加速度は、9.81という数と、正単位のメートルと、逆単位の秒からなる複合単位として表現される。


秒は-2乗となるので、逆単位として2つの秒オブジェクト(s)が複合単位の加速度m/s^2オブジェクトに関連付けられています。